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世界がまだ剣と魔法とモンスターによって混沌としていた時代…。
ハードランドは多国に先駆けて魔法や錬金術を捨て、機械による産業革命を起した。
特別なスキルや星座の位置に依存する魔法を捨てる事により、大陸一の軍事国家にまで成長した。
しかし、今まで培ってきた文化を捨てるという事は、国内にいる魔法使いや錬金術師の国外追放や処刑、禁固刑にする事でもあった。
それと引き換えに平和と力を手に入れた国家。
諸外国へ逃げた多くの錬金術師や魔法使いから怨まれつつも、建国から315年平和で安定した日々を送っていた
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そんな大国の片田舎に住む地方貴族 ゲオリク伯爵。
彼は国王直属の医療学者であったが、とある理由で首都を離れ、自分の屋敷に篭りひたすら研究に没頭していた。
ホムンクルス……。錬金術が全面禁止のこの国では禁忌とされている失われし技術。
愛する妹がモンスターに襲われ、首から下を切り捨てる事によって、かろうじて生き存えている。
昔のように自分の体で外に出る事は、もはや叶わず、人に姿を見せる事も出来ない。
現在の医療では体全部を移植も蘇生する事も出来ない。
医術の限界を知るゲオリクは、錬金術という禁忌に頼る他は無かった。 たとえそれが、国家反逆になろうとも……。
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妹の婚約者 サン・ジェルマン伯爵は親友でもあり幼馴染でもあった。
しかし、生首同然の状態である妹を会わせる事は出来ない。それどころか錬金術という禁忌を犯している 事を知られる事は絶対に出来ない。
妹が生きている事や禁忌の事を隠すが、うすうす気が付いているのか、 見て見ぬふりをしているのか……?
隠しつづけている事の罪悪感に見舞われているゲオリクだが、人に言う事など出来るはずがない。
そんなある日、幼馴染のミハエル子爵から、城の奥深くで秘密裏に錬金術を続けている組織がある事を知る。
錬金術を禁止した張本人である国王の依頼による不死の研究、永遠の魂アニマムンディの研究……。
オカルティズムに否定的なミハエルは、深入りせぬように釘を差すが、ゲオリクは、その事実に興味を抱かずにはいられなかった。
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